理由は、すでに最近の新築住宅はある程度の性能をもつ断熱材を入れているので、そこからさらに断熱性能を上げるにはかなりの手間とコストが掛かってしまうようになるんですね。断熱性能を上げる目的は家の中の温度を快適にすることなので、高いコストを払って断熱材を良くするよりも他に断熱性のを上げる効果的な方法があるのであれば、そちらを採用したほうがメリットは大きくなります。
では断熱材以外に、家のどの部分の性能を上げれば断熱性能が上がりやすいのでしょうか?
答えは家の「窓」です。
実は、一般的な窓は壁の1/10くらいの断熱性能しか無く、せっかく家の中の暖めたり冷やした熱が窓からどんどん逃げていってしまうんですね。
冬の暖房時に窓から逃げる熱は約50%、夏では70%の熱が窓から入ってくると言われています。(一方、壁から逃げる熱や入ってくる熱は10~20%ほどです)
それだけ窓は家の断熱性能の弱点となりやすい場所と言えるんですね。
さらに窓は、断熱材のようにすでにある程度高性能の物がどの家にも入っている訳ではなく、性能の振れ幅が大きい部分でもあります。
ちなみに、窓次第で3倍ほど性能に差がつくことになります。
これほど差がある部分は、家の中を見渡してもそうはありません。
このように、窓は家の断熱性能の弱点となる部分なので、極端な話をすれば窓を無くしたり極力小さくすることで、家の断熱性能は大きく上げることができます。
でも、窓の無い家は暗くて風も入らず圧迫感の強い家になってしまいますし、窓を小さくしただけの家も同じことが言えます。
窓は光や風などをコントロールする役割があるので、窓次第で家の住み心地が大きく変わってくるんですね。
そのため、窓の性能を確保しつつ、いかに効果的な窓の選択と配置を行うかが重要になってきます。このことから快適な暮らしと、窓の重要性がわかります。